田中脳神経外科病院|東京都指定二次救急医療機関|練馬区

Nutrition

栄養科

栄養科

脳卒中は命に関わる恐ろしい病気です。
疾患の予防・再発の防止には、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)、高血圧他の生活習慣病の改善が必須であり、日常の食事をバランスの良いものにしたり、ウォーキングなどの適度な運動、ストレスの発散など心身の健康に留意することが大切と言われています。

栄養科では、様々な疾患で入院されてくる方に合った食事の提供や、アレルギー食品への対応などを行なっています。

① 動脈硬化の悪化を予防する。

1) 脂肪を摂りすぎない(血中コレステロールの値を保つ)
  • 良い食品 マグロ、ブリ、サンマ他・・・DHA・EPAを多く含み、コレステロールを下げる。
  • 食べ過ぎ注意食品 肉、卵、バター(コレステロールの多い物)・・・動脈硬化を進める為。
2)抗酸化食品を摂取する(動脈硬化の悪化につながる活性酸素の発生を抑える)

緑黄色野菜、根菜類、玄米、大豆製品、海藻類、きのこ類、緑茶、ゴマ他

3) カルシウムを摂取する(不足すると骨からカルシウムが溶け出し、血管内に蓄積するため動脈硬化の一因になる)

カルシウムの多い食品(小魚、桜えび、葉物緑黄色野菜、乳製品)
*特に乳製品はカルシウム吸収率が高い。

 

② 高血圧の改善

高血圧は血管に加わる圧力が高くなる事によって動脈が硬くなり、血液の流れが妨げられ動脈硬化を起こしやすくなる原因のひとつです。

1) 塩分量の調整

塩分を摂りすぎると体内のナトリウムが血管を収縮させ血液の量も増やす為、血圧の上昇につながります。現在日本人の1日平均塩分摂取量は11~12gですが、成人の1日目標量は男性9g、女性7.5gです(2010日本人の食事摂取基準より)。高血圧の改善を目指す減塩食では1日塩分6g以下となります。
とは言え、塩分も体に必要な成分です。担当医や栄養士に相談して、適正な量を設定してください。

2) 塩分が排出されやすい食材を摂る。
  • カリウム(塩分の排出を促す、血圧を下げる)・・・生野菜、果物、緑茶などに多く含まれる。
    *高血圧の服薬を行なっている方や腎臓の機能が落ちている方は過剰摂取を避けてください。
  • 食物繊維(ナトリウムを吸着して体外に排出する、コレステロールの上昇を 抑える。)・・・野菜類、きのこ、豆類、海藻類、根菜類などに含まれる。
    *ワーファリン(血液が固まるのを防ぐ薬)を服用されている方はビタミンKの多い食品(クロレラ、青汁他)や納豆は薬の作用を下げてしまう為控えて下さい。

 

③ 水分の摂取

水分が不足すると血液が濃くなってしまう為、水を意識的に飲む習慣をつけてください(コーヒーや紅茶には利尿作用があるので、水や白湯、麦茶などが好ましい)。又、起床時や就寝前、入浴後はなるべくコップ1杯の水分を摂るようにしてください。

 

④ 適度な運動

有酸素運動は中性脂肪を減らし、善玉コレステロール(HDL)を増やします。
毎週3回、20~30分くらいのウォーキングを行なったり、ストレッチで血液の 流れを良くするなど、日常に適度な運動を組み込んでいきましょう。
運動の前後や最中にはこまめに水分を摂るようにしてください。

<終わりに>

脳梗塞に一度罹った方は再発の危険があるという事を念頭に置き、発症前の自身の食生活や生活習慣を見直していくことが大切です。栄養科一同、皆様が元気に過ごして行ける様、微力ながら応援していけたらと思っています。